中心性漿液性脈絡網膜症(CSC)

中心性漿液性脈絡網膜症とは

中心性漿液性脈絡網膜症(ちゅうしんせいしょうえきせいみゃくらくもうまくしょう)とは、網膜の中心部(黄斑)に水が溜まって浮腫むことで、部分的な網膜剥離が起きて、視力が悪くなったり、ものが歪んで見えたり、視界の中心が見えにくくなったりする病気です。30代〜50代の働き盛りの方、特に男性に多く発症します。片目に発症することが多いですが、両目に発症することもあります。一般的に経過は良好で、3〜6ヶ月で自然に治ることが多いです。以前は中心性網膜炎と呼ばれていました。

中心性漿液性脈絡網膜症の原因

原因は不明で、心身のストレスや、副腎皮質ステロイドの副作用が誘引で起こることがあるとされています。

中心性漿液性脈絡網膜症の症状

  • ものが歪んで見える(変視症)
  • 中心が見づらい(中心暗点)
  • ものが小さく見える(小視症)
  • 一時的な遠視
    • もともと近視の人は眼がよくなったように感じることがあります
  • 画面が歪んでいる
  • 片目ずつ見たときにものの大きさが違う

中心性漿液性脈絡網膜症のセルフチェック

  1. 30cm程度離れた距離から行います。新聞や本を読むためのメガネがあればかけたまま行って下さい。
  2. 片目を隠した状態で、表の中央にある黒い丸●を見つめます
  3. 片目が終わったあと、もう片目も行います。

下記のように見えたり、見え方に違和感がある場合は早めに眼科へお越しください。チェック用紙を印刷していただき、それに見え方を書き込んで頂いた上でお持ちいただきますとよりスムーズに診察が行なえます。

中心性漿液性脈絡網膜症の検査

黄斑に異常があると視力に影響が出ます。当院では複数の視力計を並列することにより、より正確でスムーズな検査を行うことができます。

格子状の図を見て、変視症(歪んで見える)や、コントラスト感度、中心暗点(視界の中心部分が見えにくい)など、大まかに検査します。

眼底を確認し、黄斑をチェックします。瞳孔を開く薬を使用せずに低光量のフラッシュで撮影することができるため、患者様への負担が軽減できます。また、光干渉断層計(OCT)では黄斑部の異常を特殊なレーザーでチェックします。

中心性漿液性脈絡網膜症の治療

治療法としては以下のようなものがあります。

目の奥のむくみを取ったり、網膜の機能を良くする目的でレーザー治療を行うことがあります。しかし、レーザーを照射した部分は網膜の働きが失われるため、視界の一部分が欠けることになります。むくみの場所によっては、視力低下につながって逆に見えにくくなる場合もあります。そのため、手術前には詳しい検査を行い、治療の適応を慎重に判断する必要があります。

  • 末梢循環障害改善薬目の血流をよくすることで、網膜の働きをよくしたり、視細胞の機能を助けます。
  • 蛋白分解酵素むくみに含まれる蛋白を分解することで、目の中のむくみを早く引かせることを目的に処方します。
  • ビタミン薬視細胞の働きをよくするためにビタミン薬を処方することもあります