色覚異常

色覚異常

色覚異常は日本人男性の20人に1人、すなわちクラスに1人はいる計算になります。

2003年までは小学4年生全員が検査をしていましたが、差別につながるということ、色覚異常があってもなくても基本的に学校生活に支障は生じないということで中止となりました。
しかし、色覚異常があることを知らないまま成長することで、いろいろな問題を抱えてしまう人が増えました。

たとえば、人と見え方が違うことを知らないため友達と喧嘩になってしまったり、色覚異常であると就くことが難しい一部の職業(警察官やパイロット、電車の運転手など)を目指していたにも関わらず、大きくなってから色覚異常を知ったために、その夢を断念せざるを得なくなってしまったというケースです。
そのため、2016年からは任意での色覚検査が再開されましたが、その意義がうまく伝わっておらず、検査を受けない方もまだまだ多いようです。

当院では色覚の検査を行うことが可能です。お気軽にご相談ください。

  • 石原色覚検査表国際版 38表
  • パネルD15

色覚異常とは

色覚異常とは、正常といわれる人々に比べて色の感じ方が違うことを言います。

人間の網膜は赤・緑・青の3色を感じる能力があり、波長の違いでその色を感じ取っていますが、色覚異常の人はそれらの能力に何らかの問題があります。
そのため、色覚異常の人は色の区別がつきにくい場合があり、その見え方は人によって様々です。

色覚異常は先天色覚異常と後天色覚異常に分けられます。
学校の任意検診で指摘される色覚異常はほとんどが先天色覚異常です。

原因が遺伝的なものなので、現時点では有効な治療法がない一方、悪くなることもなく、また色覚以外は問題ないことがほとんどです。

程度によって、1色覚(全色盲)、2色覚(色盲)、異常3色覚(色弱)があります。現在、色盲や色弱といった言葉は使われなくなってきています。
種類には1型色覚異常、2型色覚異常、3型色覚異常があります。一番多いのは2型色覚です。

先天色覚異常は日本人男性の20人に1人(5%)、日本人女性の500人に1人(0.2%)といわれており、国内では300万人以上が該当し、まれなものではありません。ただし、人によって程度は異なります。
ほとんどの場合、色覚異常で日常生活に困ることはありません。

自らの特性を知った上で適切に対処すれば、ほぼ不自由のない生活を送ることができます。
自動車運転免許などは色覚異常があってもほとんど問題なく取ることができますし、職業に関しても一部を除いては問題ありません。
それに、特定の色の判別がしにくいからといって、他の人より劣っているということにはなりません。

色覚異常の人は、たとえば同じ赤色でも、深い赤色や明るい赤色など細かい色を見分けることができる感受性を持っていたりします。
しかし、やはり特殊な職業(警察官やパイロット、電車の運転手など)に関しては制限があります。
そのため、早い段階で色覚異常があるかないかを知っておくことは非常に重要です。

後天性の場合はなにかの病気(緑内障や網膜、視神経の病気など)の症状の一つとして色覚に異常が現れます。

そのため、色覚以外の視力や視野などに影響が出たり、病気によって色の見え方が変わることがあります。
もとにある病気自体が治療対象になります。

見え方の例

正常色覚

1型色覚異常(赤を感じる能力に異常がある)

2型色覚異常(緑を感じる能力に異常がある)

3型色覚異常(青を感じる能力に異常がある)

ただし、見え方は人によって異なるので、実際にどのように見えているかは本人にしか分かりません。

※外部リンクに繋がります

区別しづらい色

色覚異常の人が間違えやすい組み合わせは以下です。

  • 赤と緑
  • オレンジときみどり
  • 緑と茶
  • 青と紫
  • ピンクと白(あるいは灰色)
  • 緑と灰色(あるいは黒)
  • 赤と黒(1型色覚)
  • ピンクと青(1型色覚)
  • 薄暗い環境
  • ものの大きさが小さい
  • 色がくすんでいる

夜間などは特に色の判別がしにくくなります。
なるべく明るいところで色を判別するのがよいでしょう。
また、先程述べたように色覚異常の人は赤と緑の判別が難しいため、信号には特に注意が必要です。
日本においては横並びの信号では色の配置で見分けることができますが、海外などでは信号の並び方が逆になる場合もありますので、注意が必要です。

色覚異常と言われた方は【公共社団法人 日本眼科医会】をご参照ください。