当院の執刀医について
当院では最新の超音波白内障手術装置と顕微鏡を用いて手術を行います。
月曜日と火曜日隔週で手術を行っており、担当は月曜日:白鳥 宙先生、火曜日:今井 康久先生となります。
白鳥先生は日本医科大学附属病院眼科で難症例を含めた手術を日々多数行いながら、後進育成や指導を行っております。また、そのほか様々な施設で手術を担当しております。
今井先生はその技術から、白内障手術を全国各地より依頼され、関東から南は沖縄まで飛び回る熟練の医師です。年間手術数は1500件を超え、延べ手術件数は2万件以上になります。
両術者とも確かな技術を持った信頼できる医師であり、短時間で侵襲の少ない手術が可能です。
当院の白内障手術件数
2021年:98件(2021年2月1日開院)
2022年:294件
2023年:333件
動画による白内障手術解説
※音声がでます
当院の白内障手術について
当院では、超音波水晶体乳化吸引術を用いて白内障手術を行っています。この手術は、濁った水晶体を取り除き、人工の水晶体(眼内レンズ)に置き換える手術です。白内障による視力低下を改善するためには、必ず手術が必要となります。
「単焦点眼内レンズ」「多焦点眼内レンズ」「トーリックレンズ」など、最新のレンズを採用しております。患者様のご希望やライフスタイルをお伺いした上で、カウンセリングを行っていますので、お気軽にご相談下さい。

白内障手術時期の目安
- 天気の良い日や夜道で、車のヘッドライトがまぶしいと感じることがある
- 最近、日常生活で物が見えにくいと感じることが多い
- 眼鏡を新しく作ったが、視力が改善されなかった
- 老眼鏡を使用しても、新聞や本の活字が読みにくい
- 目が疲れやすく、視界が霞むことがある
- 遠くの人の顔が判別しにくいことがある
- 距離感が取りづらく、階段を上り下りするのが不安定に感じることがある
- 免許更新の際、視力検査に合格できなかった経験がある
- 外でのスポーツをするときに、不安を感じることがある
- 趣味や仕事で精密な作業を行うときに、見えにくく不便を感じることがある
- 目が見えづらくなり、活字を読むのが苦手になってきた
- テレビの字幕などが見えにくくなってきた

患者様がどれくらい不便さを感じているか、免許更新によるご事情などを踏まえて相談しながら時期を決め、白内障手術をおこなっております。
不安なこと、ご不明な点がございましたらお気軽にご相談ください。
眼内レンズについて
白内障手術を行う際、眼内レンズを挿入しますが、このレンズは日々進化しています。それでもなお、眼内レンズ(人工レンズ)は、水晶体とは異なり、厚さを変えてピントを調節することができないため、近くか遠くどちらかにしか商店を合わせることができません。多焦点眼内レンズは、「遠くも近くもメガネなしで見たい」という方のために開発されました。どのレンズを使用するかは、患者様のライフスタイルやご要望を考慮したうえで、カウンセリングの上で決定します。
単焦点レンズ
・・・ピントが合う距離が1つ

保険診療
- 見える範囲は…狭い手元か遠くのどちらかのみピントが合う
- 見える質は…良いピントが合う1点はとてもよい

単焦点眼内レンズの場合(遠くにピントを合わせたとき)
多焦点レンズ
・・・ピントが合う距離が複雑

選定療養
- 見える範囲は…広い手元か遠くまで見える
- 見える質は…おおむね良いピントが少しあまい2021年4月発売のテクニスシナジーというレンジを主に用います。

多焦点眼内レンズの場合
多焦点眼内レンズについて視力に関するトラブルとして、ものを見るときにぼやけたり、暗所で見えにくかったり、光を見るときにじんわりしたり、まぶしく感じたりすることがあります。また、視力の安定には数ヶ月かかる場合があるため、しばらくの間様子を見る必要がある場合もあります。
白内障手術費用について
白内障手術費用(片眼・単焦点レンズ)※保険診療
1割負担 | 約17,000円 |
2割負担 | 約34,000円 |
3割負担 | 約51,000円 |
高額療養費制度
医療費控除制度は、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が税金から還付される制度です。当院での支払額に加え、他院の医療費や調剤薬局の支払いの1ヶ月分の合計が対象となります。※自己負担限度額は年齢や世帯収入などにより異なります。申請方法につきましては、区役所などの窓口にてご確認ください。
白内障手術術前検査について
度数決定のための計算式について
人工眼内レンズの度数を決定するには、眼の奥行き(眼軸長)と角膜の曲率半径(眼の表面のカーブ)を測定し、計算式により度数を算出します。この際、レンズ計算式の選択が重要です。レンズ計算式は時代とともに進化しており、当院では最新のバレットユニバーサル2式を採用しています。この式は以前よく用いられていたSRK/T式に比べて、眼軸長や角膜の影響を受けにくく、特別な補正も必要なく、高い有用性を発揮します。
バレットユニバーサル2式は、ガウス原理に基づく近軸光線による厚肉レンズ計算式です。具体的な仕組みについては公表されていませんが、SRK/T式よりも優れた計算式とされています。

角膜内皮細胞について
白内障手術の前に、スペキュラーマイクロスコープという装置を用いて角膜内皮細胞の検査を行います。角膜内皮細胞は、茶目の一番内側にある細胞であり、呼吸や代謝を担っています。この細胞が死んでしまうと、茶目が濁ったり浮腫んだりし、視力に影響を及ぼす可能性があります。
白内障手術では、角膜内皮細胞が減少することが知られています。正常値である2500-3500 cells/m㎡程度あれば、手術による細胞数減少を考慮しても、見え方に影響はないとされています。しかし、細胞数がそれよりも低い場合は、内皮が減少しないように注意して手術を行う必要があります。
手術時間が長くなると角膜内皮細胞の減少が増加するため、角膜内皮細胞が元々少ない方は手術時間の短い手術が必要です。当院では手術時間を5-10分程度に抑え、侵襲が少ない手術を行っておりますので、安心して手術を受けていただけます。

手術の流れ
- 予約適応検査に関しては予約制です。
- 適応検査・手術の説明・採血など(約1~2時間)眼内レンズの度数を決めるための検査と採血を行います。その結果をもとに、手術の内容・手術前後の注意事項などについて詳しく説明させていただきます。検査のため、瞳孔を広げる目薬を点眼します。点眼後、約4~5時間はお手元が見えにくくなったり、眩しく感じたりしますので、お車でのご来院はお控えください。
- 白内障手術手術は片眼ずつ行います。当院では手術自体は平均5分~10分程度で終わります。来院してからお帰りになるまでは約2.5時間です。
- 手術後の定期検査手術後の定期検査は、手術翌日、3日、1週、2週、3週、1ヵ月、2ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、9ヵ月、1年です。手術後1年以降は1年毎の定期検査になります。ただし、手術後の状態によっては、定期検査以外の診察が必要になります。
白内障手術後について
白内障手術前後の注意事項
手術後、手術による傷口はふさがりますが、眼の表面についた傷はしばらく癒えません。この傷から細菌が入ると、重篤な感染症につながる危険性があります。
このリスクを軽減するため、白内障手術後1ヶ月程度は点眼が必要となります。点眼薬には、感染を予防し、炎症を抑えて傷の治癒を促す成分が含まれています。
手術翌日から入浴やシャワーは可能ですが、首から下のみにし、眼やその周辺に水が入らないように注意してください。また、術後1週間程度は洗顔・洗髪・アイメイクは控え、お顔や頭は柔らかいタオルやウエットティッシュで拭く程度にしてください。美容院での仰向けでの洗髪は問題ありませんが、その他、汚れた手で眼を触らないように注意してください。

白内障術後のリスク
- 痛み、異物感、しみる感じ
手術後、しばらくの間痛み、異物感、しみる感じが出ることがあります。しかし、数日でほとんど消失することがほとんどです。また、痛みを和らげるお薬を処方しますので、指示どおりご使用ください。 - 結膜下出血
手術後、白目の部分に内出血が起こり、白目が赤くなることがありますが、約2週間で自然に消失します。 - 度数のずれ(矯正誤差)
手術後、残ってしまう近視・遠視・乱視があります。もし見えにくい場合は、メガネを使用していただくことがあります。 - 水晶体嚢が破れる
手術中に水晶体嚢が破れてしまうことがまれにあります。この場合、手術時間が長くなったり、再手術が必要となることがあります。また、他の眼内レンズを使用することもあります。 - 眼圧上昇
手術後、眼圧が上昇する場合があります。その際には、眼圧を下げるお薬を処方したり、点滴をすることがあります。定期検査で眼圧の上昇がみられた場合は、お薬の種類を変更または中止します。 - 嚢の混濁(後発白内障)
眼内レンズが入っている水晶体の後嚢が混濁し、視力が低下してくることがあります。この場合、当院でYAGレーザーを用いて混濁部分を取り除く処置を行います。 - 感染
手術後、傷口から細菌が入り、感染症を引き起こす可能性があるため、手術部位には注意が必要です。手を洗ったり、汚れた手で目を触らないようにするなど、細心の注意を払いましょう。また、予防的に処方されている抗生物質を指示どおりに使用することも大切です。 - 眼内レンズの位置異常
手術後、眼内レンズの位置が若干ずれることがあります。大きくずれた場合には、見え方に影響が出ることがあり、再手術が必要になる場合があります。 - その他の合併症
白内障手術には他にも合併症があります。角膜内皮細胞の減少、ブドウ膜炎、眼内炎、中心性黄斑浮腫、飛蚊症、駆逐性出血、核落下、眼内レンズの変形などが挙げられます。